このところ、うつ病や自律神経失調症でのご利用が増えてます。
自律神経失調症の最近の改善例をご紹介しておきます。
30代後半の女性患者さん(主婦)です。
半年程前から病院で「自律神経失調症」と診断されて、
「薬は飲んでいるもののあまり改善が見られない」とのこと。
当院へは「知恵袋の書き込み」を見てご来院されました。
主な症状は、慢性疲労、不眠、不安感が強い、胃腸の不調、頭痛やめまいが出る、
肩や首のこりがひどい。等で育児や家事をするのもかなり辛い状態とのことです。
最初に体を詳しくチェックさせていただきまし。
体の色々な部位に不調のサインが出ていましたが、特に不調のサインが強かったのは、
脳の中の部位である「扁桃体」、「海馬」、「視床下部」でした。
※当院ではカイロプラクティックの検査方法である、「筋肉反射テスト」や「反射点(ツボのような場所)」の触診をなどで検査を行います。怪しい検査ではありません。
ざっくりと説明しますと、
「扁桃体」や「海馬」は脳の中でも原始的な部分で本能的に感情(喜怒哀楽)を感じる場所です。
怒り、不安、心配、危険、敵、嫌いなどを本能的に感じます。
動物はこの扁桃体や海馬の働きで外敵や自然災害などの危険を察知して、自分の身を守ります。
動物が危険を感じた際は、
自分の身を守る為には「戦うか逃げるか」のどちらかを選択しなければなりません、
その時、扁桃体や海馬は強い興奮状態となり、
「視床下部」と呼ばれる自律神経に指示を出す場所に危険の信号を送ります。
この状態は扁桃ジャックと呼ばれています。
扁桃体は興奮が強いと実際に腫れるそうです。
また海馬の興奮状態が長く続いている人は海馬の神経細胞が死滅して、
海馬がだんだんと委縮して来るそうです。
委縮が進むとアルツハイマーになるとも言われています。
「視床下部」とは脳の中で自律神経をコントロールする場所です。
「交換神経」と呼ばれる「戦闘態勢の神経」と、
「副交感神経}と呼ばれる「リラックスモードの神経」
の両方にバランス良く指示を出すことで体を健康な状態に保ってくれています。
扁桃体から危険の信号が送られた「視床下部」は「交感神経」と呼ばれる、
「戦闘態勢を整える神経」を優位にして、
体にいつでも「逃げたり戦かったり」出来る体制を準備させます。
交換神経が優位になると、
筋肉が緊張する、血管を収縮させる、血圧を上げる、血糖値を上げる、脈拍数を上げる、
手や足の裏に汗をかく、内臓の働きを抑える。
などの身体変化をが起きて、いつでも逃げたり戦える体制を整えます。
このような状態が長期間続いていると、
筋肉のコリ、内臓の疲労、、脳の機能低下などが発生し、
体中の筋肉のコリ、頭痛、動悸、高血圧、高血糖、めまい、不眠、内臓の不調、など
体中に様々な痛みや不調が出現して来るのです。
動物が外敵に襲われた場合は、逃げるにしろ戦うにしろ、短時間で済みます。
しかし、人間は社会生活を営んでいるので、
会社で嫌な上司や同僚がいる、仕事のノルマがキツイ、ママ友や子供の友達の母親に嫌な人がいる、
育児のストレス、夫婦間の不仲、両親とのトラブルや介護、など、
怒り、恐怖、不安、心配などの感情を発生させる色々なストレスが存在します。
しかもこれらのストレスは長期間続くことが多いです。
特に最近は、SNSの普及がストレスを更に増長させています。
動物のストレスは「逃げたり戦ったり」が終了すれば終わる短時間のストレスですが、
人間のストレスは長期間続くストレスです。
ストレスを受けている間中からだは戦闘状態をとっているために、
体に強い負荷がかかり続けて、いよいよ体が負担に耐えられなくなり、
自律神経失調症やうつ病などを発症すると考えられています。。
自律神経失調症やうつ病などは上記以外にも様々な要因が影響しており、
発生のメカニズムはもっと複雑だと考えられているのですが、
すごくザックリと説明すると上記のようなメカニズムです。
今回の患者さんに問診時にお聞きした内容では、
「調子が悪くなる少し前に、幼稚園の役員になりかなり強いストレスを感じていた」。
とのことなので、このストレスがが桃体や海馬を興奮させたのではと推測されます。
さて今回の患者さんへの施術ですが、主に下記の内容を週1回のペースで5回行いました。
1、興奮している「海馬」、「扁桃体」、「視床下部」を鎮静化させる。
2、脳脊髄液の循環を良くして脳の疲労回復を図る。
3、疲労で機能低下している内臓を元気にする。(特に肝臓、副腎)
4、緊張している筋肉をリラックスさせる。
5、その他にも調子が悪くなっている部位を調整。
※施術にはカイロプラクティックの頭蓋骨セラピー、内臓セラピーや反射点(ツボ)を刺激する施術などを組み合わせて行います。
結果ですが、5回目の施術が終了時点で、
患者様に痛みや不調を数値化して頂くと、
「最初の20~30%程度になりました」とのこと。
さらに良い状態になって頂く為に2週間に1回のペースでもう5回通院して頂きました。
10回目の施術後に痛みや不調を数値化していただくと、
「10%程度になりました」とのこと。
日常的には以前の元気な時の状態が維持できているですが、
「ストレスが強くなると少し辛い症状が出る事がある」状態とのこと。
幼稚園の役員が後3カ月続くそうですので、
役員が終わるまでは月1回の頻度でメンテナンス通院をしていただくことになっています。
自律神経失調症と聞くとどうしても「心の病」と考えてられがちですが、
実際はストレスにより脳や内臓の機能が低下することが原因です。
よって原因を的確に把握して、原因の部分から改善してゆけば、
薬に頼らなくてもチャンと良くなるケースがかなり多いです。
今回の症例のような症状でお困りの方には、
まずは、病院でチャンと診察してもらうことをお勧めしますが、
もし病院で処方された薬を飲んでも良くならない場合は一度当院にご相談下さい。
多くのケースで改善のお役にたてるはずです。