自律神経失調症の改善例です。
50代の主婦(パート勤務)の患者さんです。
半年程前から、疲労感、不眠、頭痛、めまい、ほてり、元気が出ない、胃腸の調子が悪い、肩や首がガチガチに凝って辛い。など様々な症状でお困りとの事です。
病院では「自律神経失調症」と診断され、薬は何種類か飲んだもののあまり改善が見られないとのこと。
仕事の同僚のご紹介で来院されました。
問診の後に体をチェックしましたが、確かに自律神経が乱れているサインが出ます。
さらに自律神経を乱している根本原因の部分を調べてて行くと、
脳の中の、「視床下部」、「左背外側前頭前野」、「扁桃体」に異常のサインが見つかりました。
※当院で行っている体のチェックは「カイロプラクティック」の検査手法を使用しています。
怪しいん検査方法ではありません。
詳しく説明するととても複雑になるので、出来るだけわかりやすく説明しますと、
「扁桃体」は脳の中でも原始的な部分で本能的に喜怒哀楽の感情を感じる部分です。
感情だけでなく自分が安全か危険かを本能的に察知します。
特に心配、不安、恐怖、危険、嫌いな人、嫌な事などに強く反応します。
このような感情が長く続くと、扁桃体が興奮状態となり、
脳は自分は危険な状態だと思い込んでしまいます。
興奮が強いと実際に扁桃体が腫れるそうです。
「左背外側前頭前野」(略してDⅬPFC)とは知性で感情をコントロールする部分です。
扁桃体が興奮しても知性を働かせて、扁桃体の興奮を落ち着かせる働きがあります。
しかしながら、扁桃体の興奮が長く続くとDLPFCは疲労して来て、
扁桃体のコントロールが出来なくなります。
この状態を扁桃体ジャックと呼ぶ人もいます。
「視床下部」は自律神経をコントロールする場所です。
自律神経には「交換神経」という戦闘モードの神経と、「副交感神経」と呼ばれるリラックスモードの神経の2種類があり、この2種類を バランスよく働かせることで、
体を健康な状態に保っています。
しかし、扁桃体が興奮して脳が「今自分にとって危険な状態だ」と感じると、
視床下部は自分を守る為に、自律神経のなかの「交感神経」を優位にして、
体全体に「戦うor逃げる」の指示を出します。
交換神経が優位になると体には下記のような変化が発生し、
いつでも「逃げたり戦ったり」出来る準備をします。
1、体全体の筋肉に力が入り血管が収縮する。
2、血圧、脈拍数、血糖値が上昇する。
3、戦う為に必要でない内臓や免疫の働きを抑える。
これは生物が、外敵や自然の脅威から自分を守る為に培った体の仕組みです。
動物だけなく人間にもこの仕組みが働きます。
ただ野生動物と人間で大きく異なるのは危険状態の時間です。
野生動物の危険状態は短時間です、 逃げるか、戦って相手に勝てば危険は終わります。
しかし、 人間のストレスは長期間続きます。
「人間関係のストレス」、「仕事のストレス」、「家事や育児のストレス」、「その他のもろもろの悩み事、心配事」などは長期間続きます。
残念ながら、動物の体は長期間のストレスに耐えれるような仕組みにはなっていなんです。
長期間ストレスが続くと、その間体はずっと戦闘状態になっているので、
体にどんどん負担が蓄積します。
その結果、
疲労感、不眠、肩コリ、内臓の不調、動悸、高血圧、病気にかかりやすい、ガンになりやす。
などの様々な辛い症状が発生して来ます。
これが自律神経失調症による様々な不調のメカニズムです。
よって、この状態を改善するには、脳の興奮状態を解除することが必要です。
更に、自律神経の中の副交感神経を優位にして、体の戦闘状態も解除しなければなりません。
患者さんにこのような説明をしたところ、
体に不調が発生する少し前から、
「ご自分母親の介護と、旦那さんの実家の母親の介護」の両方が重なり、
メンタル面のストレスがとても強かったとのこと。
このストレスが扁桃体を興奮状態にさせたと推測されます。
今回の施術内容ですがカイロプラクティックのテクニックの一つである、
「頭蓋骨セラピー」というテクニックをメインに使用しました。
主な施術内容は下記です。
1、扁桃体を刺激して興奮を解除。
2、DLPFCの疲労を回復して扁桃体がコントロールできるようにする。
3、視床下部を刺激して交感神経を解除し副交感神経を優位にする。
4、脳脊髄液の循環を良くして脳が疲労しにくい状態を作る。
この施術はとても気持ち良いので、患者さんも施術中は眠っていらっしゃいました。
施術後の第一声は「気持ち良くていつの間にか寝てしまいました。頭がとてもスッキリしました」
でした。
2回目の施術でいらっしゃ時に状態を確認すると、
「その日の夜は久しぶりにグッスリ眠れて、朝起きた時は体がとても軽かったです」との事。
体の不調については50%程度は改善した感じがするとのこと。
脳や体に溜め込んだダメージを回復させるために、合計5回通院してもらいましたが、
「ストレスが強くなると不調は出るが、ひどかった時と比べると20%~30%程度の不調です」
とのこと。
今も介護のストレスが続いているため、予防の為に月1回はメンテナンスでご利用して頂いておりますが、以前のようなツライ状態になることはないとの事です。
うつ病についても、ほぼ同じようなメカニズムで発症しますので、上述のような施術を行えば改善は可能です。
うつ病や自律神経失調症でお困りの方は是非当院にご相談下さい。
改善のお役に立てるはずです。